飯田山常楽寺
寺院と山門について
飯田山の八合目に位置する天台宗寺院。平安時代末期(1140~1150年頃)に比叡山第47代座主忠尋の高弟である真俊により開基された説、敏達天皇12年に日羅上人が百済から千手観音と九重の塔を持ち渡って開基したなど諸説ある。盛時は36の僧坊に300名近くの僧侶が修行に励んでいたが、次第に荒廃していった。寛永4(1627)年に円斉豪澄により再興の発願がおこなわれ、観音堂の原形が形成された。本尊は十一面千手観音で脇侍に不動明王と毘沙門を祀る三尊形式をとっている。常楽寺は天台・真言・浄土宗に禅宗を加えた四宗の学問と修行道場としての性格を持つ寺院であったと考えられ、後に天皇家の菩提寺となる京都泉涌寺を開基した僧俊じょうを輩出している。山門(仁王門)への石段は「乱れ積法」という珍しい作りである。本尊「木造十一面千手観音立像」及び「神仏像」の15躯は益城町指定文化財。



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本尊の十一面千手観音 |
層塔
鎌倉時代のもので、花こう岩製の九重層塔が1対確認されています。
こちらも益城町重要文化財に指定されています。