猫伏石には次のような民話がある。加藤清正が熊本城築城の際、横手五郎という怪力の人夫に城の土台となる大きな石を探し持ってくることを命じた。木山川上流の河原(西原村)で見つけた大きな石を3つ「猫伏(※)」に包み、背中に背負って熊本へ帰る途中、猫伏がその重さに耐えられず府内古閑のところで破けてしまった。五郎は3つのうち小さな2つを両手に抱え、もう一つをその場に残して帰った。その残された巨石は、誰も動かすことができず今でも道の真ん中に横たわっている。
※猫伏・・・農作物の収納や穀物の乾燥などに用いる農具。縦糸、横糸ともに大人の小指大の藁縄で編んだ一辺が3m、厚さ2cmにもなる敷物で、大人2人で扱わなければならないほどの重量がある。