益城町立保育所について
益城町では、令和6年4月時点で、全5つの校区(飯野、広安、木山、津森、福田)に5園の保育所を直接運営しています。
各保育所の状況は、下表のとおりです。
益城町立保育所の状況 名称 | 校区 | 所在地 | 利用定員(人) |
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町立第1保育所 | 広安 | 福富651番地 | 100 |
町立第2保育所 | 飯野 | 砥川125番地1 | 75 |
町立第3保育所 | 津森 | 上陳361番地 | 60 |
町立第4保育所 | 木山 | 木山567番地1 | 100 |
町立第5保育所 | 福田 | 福原529番地2 | 75 |
町立保育所運営上の問題点
必要保育士の確保
長年、正規雇用職員と非正規雇用職員で必要な人数を満たしてきましたが、平成28年4月時点の益城町の職員数は、定員適正化を進め、260人でしたが、平成28年熊本地震に伴う膨大な復旧・復興業務の影響で、任期付き職員を多く採用したため、令和元年度には390人となり、令和4年4月時点で300人となっています。町の行政改革大綱においても令和7年度までに地震前の職員数となるよう目標を設定しているため、保育士を始めとした専門職の採用は控える傾向にあります。
正規雇用職員の採用が見込めないため、非正規雇用職員の採用にて保育士数を満たしていましたが、全国的な保育士不足の状況から、益城町においても保育士等の配置に苦慮しており、令和4年度から初めて派遣保育士の利用を始め、必要保育士の確保に努めている状況です(令和7年1月時点派遣保育士数:7名)。
調理員の確保
保育所においては、給食の提供が義務化されており、認可保育施設では、専門の栄養士が作成する献立により、調理・提供されています。地域の食材や季節の食材の提供に努め、食への関心を高める「食育」の推進を図っています。
町立保育所においては、1人の栄養士を直接雇用し、5園で栄養士が作成した献立を共有しています。しかしながら、栄養士、調理員とも、高齢化(平均年齢58.52 歳)が進んでおり、職員構成も令和4年4月時点で正規職員数が3名、再任用職員が2名、会計年度任用職員が16名と非正規雇用職員に運営を依存していました。
このような状況から、令和6年4月から、町立第2保育所と第5保育所において、調理業務を民間に委託し、給食の安定提供に努めています。
施設の老朽化
平成28年熊本地震の災害復旧で建て替えを行った町立第5保育所以外の平均築年数は約40年となっており、今後5年、10年後には、施設の経年劣化や老朽化が更に進んでいきます。
大規模な修繕を行い、ある程度の長寿命化を図ることができても、いずれ改築が必要になります。これらの施設を現状数維持していくことは、平成28年熊本地震の影響で起債が膨れ上がっている町の財政状況としては、大変厳しい状況です。
益城町立保育所のあり方検討
町では、このような問題を抱えている「町立保育所」の今後のあり方を検討するため、令和5年1月に「益城町立保育所のあり方検討委員会(以下、「検討委員会」という。)」を組織し、今後の町立保育所のあり方に関し、諮問を行いました。
益城町立保育所のあり方検討委員会委員名簿(PDF:215.9キロバイト) 
検討委員会 審議の経緯 | 開催日時 | 審議事項 |
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第1回検討委員会 | 令和5年2月2日 | (1)会長の専任 (2)益城町保育施設の現状と今後の課題について |
第2回検討委員会 | 令和5年3月17日 | (1)益城町校区別の保育施設の整備量について (2)令和5年度申込者の保育施設選考傾向について (3)町立/私立保育所メリット(利点)について |
第3回検討委員会 | 令和5年6月30日 | (1)R5/R6 年度の町保育施設の整備状況について (2)町立/私立保育施設の必要経費について (3)町立/私立保育施設の職員構成について (4)調理業務の民間委託について (5)保育施設の運営方式について |
第4回検討委員会 | 令和5年8月23日 | (1)町保育施設の申込推移と未満児の受入状況について (2)先進地視察結果の報告について (3)保育施設の運営方式比較について (4)今後の町立保育所のあり方について |
第5回検討委員会 | 令和5年10月10日 | (1)町立保育所のあり方検討について (2)今後のスケジュール(案)について |
第6回検討委員会 | 令和5年11月14日 | (1)町立保育所のあり方答申(案)パブリックコメント (2)答申(案)へのパブリックコメント反映について (3)町立保育所のあり方答申について |
パブリックコメントの内容については、次をご覧ください。
益城町立保育所のあり方検討について(パブリックコメント)
答申結果
検討委員会にて審議をした結果、今後も、町立保育所5園を継続して益城町が運営することは難しく、民間活力を活用し、「公私連携型保育所」へ移行することが一番望ましい有効な選択肢であるという結論に至りました。
ただし、答申にあたっては、在園児の保護者に対し、丁寧に今回の内容を説明する場を設ける等、6点の付帯意見を提言します。
付帯意見
1.在園児の保護者に対し、丁寧に今回の内容を説明する場を設けること。
2.公私連携型保育所の開始時期については、在園児の急激な環境の変化に対して十分に配慮するとともに、移行期間には、「公私合同保育」を行い、児童の特性等、引継ぎができる期間を設けること。
3.特別支援児や要保護児童の受入れ場所として、町立保育所の必要性があるため、5つの町立保育所を一斉に全て「公私連携型保育所」に変更するのではなく、施設の立地状況等を踏まえ、かつ、社会情勢の変化を十分に注視しながら、段階的に実施すること。
4.運営法人の選定にあたっては、運営実績や施設運営の提案等で選定が可能である「プロポーザル方式」を基本とし、適格な事業者を設置者として責任をもって選定すること。
5.公私連携型保育所による運営の際には、在園児保護者の要望などが届けられる場所(相談窓口)を設置し、適正に運営を行っているか、モニタリングを定期的に行い、モニタリング結果を公表する等、町が一定の関与を行うこと。
6.公私連携型保育所の移行にあたっては、現在の7時30分からの開園時間を7時からに見直すこと。併せて、現在の園名は、1番から5番まで連番を振り分けており、わかりづらいので、わかりやすい名称を検討すること。
答申に関しての詳細は、次をご覧ください。
「公私連携型保育所」について
「公私連携型保育所」とは、町から土地・建物を無償貸与などの協力を得て設置する「私立保育所」です。
令和4年度時点で、熊本県内には実施事例はありませんが、全国的に55件の事例があります。
平成28年度から制度化され、児童福祉法第56条の8に明記されています。市町村は、土地や建物などで協力する一方で、公私連携保育法人と同法第56条の8第2項に規定されている「協定書」を取り交わし、その運営に関与します。
保護者説明会の開催
町では、検討委員会からの答申を踏まえ、町立第3保育所と第4保育所の「公私連携型保育所」への移行を令和7年4月から実施することとし、在園児童の保護者向けの説明会を次のように開催しました。
第1回:令和6年3月19日(火曜日)17時から
第2回:令和6年3月19日(火曜日)19時から
第3回:令和6年3月20日(水曜日)10時から
第4回:令和6年3月20日(水曜日)13時から
詳しくは、下記をご覧ください。
公私連携型保育所への移行
公募型プロポーザル方式にて、事業者を募集した結果、次のように決定しました。
公私連携型保育所への移行状況 施設名 | 移行法人 | 協定日 |
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町立第3保育所 | 2事業者からの応募がありましたが、いずれも基準点未満のため、不決定 | - |
町立第4保育所 | 社会福祉法人 将友会 (外部リンク)(理事長 前田 徹一氏) | 令和6年9月2日 |
町立第4保育所は、令和7年4月から「公私連携型保育所」に移行し、第3保育所に関しては、公募条件等を検討中です。
移行に向けた取り組み
公私連携型保育所に移行する町立第4保育所については、協定後に在園児童の保護者向け説明会を開催し、今後のスケジュール等に関する説明を行いました。
併せて、令和6年11月には、在園児童の保護者、社会福祉法人将友会の代表、町立第4保育所の職員(町職員含む)の3者による三者協議会を開催し、移行後の保育園運営に関し、協議を進めています。
令和6年10月からは、移行法人の職員が町立第4保育所に出向き、児童の特性等を引き継ぐ「公私合同保育」を行っています。
詳細については、こちらをご覧ください。
今後の移行計画(予定)
今後の移行スケジュール(予定) 施設名 | 移行時期 |
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町立第1保育所 | 未定 |
町立第2保育所 | 令和9年(2027年)4月 |
町立第3保育所 | 未定 |
町立第5保育所 | 継続 |
令和7年1月時点の公表スケジュールです。
公募型プロポーザルにて、事業者を募集する前には、在園児童の保護者向け説明会を適宜開催していきます。